退職勧奨拒否社員の配置転換無効の請求を棄却 東京地裁


退職勧奨を拒否したことで不当に配置転換させられたとして、オリンパス株式会社の50代の男性社員が同社側に配置転換の無効確認と880万円の慰謝料を求めた訴訟で、東京地裁(戸畑賢太裁判官)は9日、請求を棄却する判決を言い渡しました。

 判決によりますと、男性社員は1984年に入社し、30年近く医療機器の研究開発に従事していましたが、2012年9月、同社が業績の低迷を理由に約100人の希望退職者を募集した際、9月から10月にかけて5回の面談などで上司から退職勧奨を受けました。退職を拒否すると、2013年1月付けで医療機器の開発から、社員教育・訓練を担う新設部署への異動を命じられました。男性社員は、退職拒否の報復だと配置転換の無効を主張しましたが、東京地裁は「当初から予定されていた人員配置で、大きな不利益もなく適法だ」と退けました。

 東京地裁は、会社側が退職勧奨対象者を選択するにあたって考慮したという2008年から2012年の男性社員の勤務評価をふまえ、「本件退職勧奨の目的、対象者としての認定基準及びこれに基づく人選には一定の合理性が認められるものと解するのが相当」だとし、上司による退職勧奨についても「必ずしも執拗なものとはいえない」「退職の有無による諸々の有利不利を説明しつつ説得を行った」として、適法だと認めました。

 配置転換先の新設部署の上司も「内部告発をしたことにより、部下がいない新部署に配置された」として会社と訴訟で争っていたため、男性社員は「訴訟対策で新部署の部下として送り込まれた」とも主張していましたが、これに対し、判決は「主張を裏付ける証拠はない」と指摘し、また男性社員に配転先の業務の知識や適性があるとして「配置転換は会社に認められた裁量の範囲内だ」と結論づけました。

 男性社員は判決後の記者会見で「全く納得できない」と述べ、控訴する方針を明らかにしました。