非正規の待遇格差訴訟 最高裁で弁論(平成30年6月に判決へ)


「定年後に嘱託社員として再雇用されたトラック運転手が、正社員と同じ仕事を続けているのに賃金が下がるのは、労働契約法20条が禁じた不合理な待遇格差にあたるかどうかが争われた訴訟について、平成30年4月20日、最高裁で弁論が開かれた。」といった報道がありました。

これで審理は終了し、判決は本年6月1日に言い渡されるとのことです。最高裁が労働契約法20条の解釈について、初判断を示すとみられていることから、注目が集まっています。

4月20日に弁論が開かれたのは、ある運送会社の嘱託社員らの上告審。
社員らは平成26年にそれぞれ定年退職した後、同社に有期雇用の嘱託社員として再雇用されました。セメントをトラックで運ぶという正社員のときと同じ仕事内容にもかかわらず、賃金を2~3割引き下げられたとして、同年に提訴したものです。

一審の東京地裁は、「仕事の内容は正社員と同一。特別な理由もなく、賃金格差があるのは違法」と判断し、会社側に対して正社員と同じ賃金を支払うよう命じました。
しかし、二審の東京高裁では、「定年後の再雇用において、一定程度賃金を引き下げることは広く行われており、社会的にも容認されていると考えられる」などとして、同法に違反しないと判断。原告(社員ら)が逆転敗訴したという経緯があります。

2~3割の減額というのは一般的なラインという見方もあるかもしれませんが、最高裁がどのような判断を示すのか? 各企業への影響も大きい判決となりそうです。

なお、最高裁は、正社員と非正規社員の待遇格差(この事件は主に手当の格差)を巡る裁判をもう1件審理しており、こちらも弁論が開かれることになっています。

正社員と非正規社員の待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」の実現は、「働き方改革関連法案」の柱のひとつとなっていますが、これから示されることになる最高裁の判決が影響を及ぼす可能性もありそうです。

〔参考〕これらの訴訟で、訴えの根拠となっているは、平成25年4月から施行されている労働契約法20条です。最近、同条をめぐる問題が、新聞などに度々取り上げられています。その概要を紹介しておきます。
<労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)/「労働契約法改正のあらまし」より)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet07.pdf