「過労死ライン」を超えた残業、死亡男性に労災認定


「食品物流を専門とする運送会社に勤務し、平成27年に虚血性心不全で死亡した男性について、所轄の労働基準監督署が、長時間労働が原因として労災認定していたことが、今月4日にわかった。」という報道がありました。
 遺族側が記者会見を開き明らかにしたものです。
 遺族側によると、男性は同社から関連会社に運行管理者として出向。人手不足のときには自ら運転することもあり、1日12時間ほどの勤務が常態化。休日にも問い合わせの電話などに対応していたという。
 労働基準監督署が認定した発症前の直近1か月の残業時間は108時間42分で、国の「過労死ライン」を超えていたとのことです。
 会社の担当者は「事実確認の上、適切に対応したい」とコメントしたそうです。

 最近、新聞などの報道で、「過労死ライン」という言葉をよく聞きますね。これは、労災保険の業務災害の認定基準の一つである『脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準』における過重負荷の有無の判断の一つです。具体的には、次のように規定されています。

<労働時間の評価の目安>
 疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、
1.発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
2. 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること
を踏まえて判断する。
〈補足〉ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。

 上記の2.の部分が「過労死ライン」ということです。
 なお、このラインを超えないようにするのは当然のことですが、上記1.に書かれているとおり、「おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる」とされています。残業時間が45時間を超えるようなら、労使双方で残業時間が増えないように工夫するなど、その社員の健康に配慮した措置をとるべきですね。予防・防止が最善の策ですから。

参考までに、この認定基準のパンフレットを紹介しておきます。
<脳・心臓疾患の労災認定 -「過労死」と労災保険->(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-11.html